ルナ様からのリクエスト
『ローレライ=クトゥグア。TOA世界=クトゥグアが幽閉されている惑星フォーマルハウト。ルークとアッシュが、ニャルラトテップの天敵・旧支配者クトゥグアの力を持つ者。二人は本体であるローレライを解放したら、幽閉地であるTOA世界を焼き滅ぼす気(最初ルークは反対だったが、同行者によって考えを変えた)。でも二人が手を出さずともニャルラトテップの干渉でTOA世界は滅び行く運命にある』
(※なぜかニャルラトテップ様の視点。事の成り行きを楽しんでます。こいつにとっちゃ天敵さえも楽しみのひとつということで)
(※あと、やっとこさ本編突入。でも途中から展開が違います。アッシュさん、半身のピンチにお怒りです)
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【最初は、誰もが嘘だと思った。信じる事が出来なかった。】 4 (お題提供:オセロ(終末世界20のお題から抜き出し))
実に…、楽しいじゃないか。
なあ? 火の精(クトゥグア)よ…。
***
あいつの力を持ったガキが生まれて、この星の文明の年の数え方で、17年か…。(時間とかってぶっちゃけ俺ら外なる神には関係ないんだけど。めんどくせぇし)
面倒くさいもんだな、この虫けら(人間)は。育つのに時間を食うくせに、すぐ死ぬ。
ああ…でも、そんなすぐ壊れるくせに俺らにたまに噛みつくような頭のある奴が出てくるから、面白くてたまらない。
今まで散々入れ知恵して自滅させてみたりしたが、不思議と飽きない。
俺を含めてこの宇宙にいる連中は、こんなちっぽけで、すぐ壊れる虫けらで遊ぶのが楽しくてたまらないのさ。
無駄に広い暗黒の世界の端っこからでも、足を運ぶ価値がある。
だからせいぜいあがけ。そして楽しませな。
最後の最後まで…。
さて、俺がちょいと入れ知恵してかれこれ2千年ちょい(数えるの面倒)になるわけだが、中々面白い状況になった。
便利な譜業も、譜術も、全部俺がくれてやった。
特に第七音素って名前で呼んでやがる俺の力を、虫けら共は湯水みたいに使いまくりだ。そしてそこから垣間見えるって言われる自分達の未来も…。先のことが知りたいと、それを奪い合って争いまでする。
何も知らず…。細胞が持ってる力を無理やりひき出して、普通なら時間をかけて塞ぐ、傷の修復を短い時間でする。それが真実だと気付かずに。
それが何を意味するか分かるか?
蓄えってのは、そのうちに底を尽きるものだろ? しかも虫けら共は、時間に沿っているからそのうち老いて…、言い方変えりゃ干からびて死ぬなんて、俺らにゃ到底考えられない生態系してやがる。ようするに限りがあるってことだ。
そうでなくても、虫けら共はもろいくせして意外と繊細らしくってな。その干からびるまで(老化)に消費されるものの使い方を間違うと、あっさり壊れやがる。ましてこの俺様の力を加えてるんだ、俺を虫けら程度の奴らが受け入れられると思うか?
そんなわけない。ユリアを含めて第七音素の使い手を名乗る連中もちらほらいるが、傷を塞げることに天狗になってやがる。まさかそれがてめーらの寿命を縮めてるなんて考えもしないでな。
よーするに、異物の俺の力を加えると、腐るってことだ。あと俺の力、第七音素を扱う連中だって無事で済むわけがない。
可哀そうに……。
じっくり時間をかけて先祖代々、その腐っていく細胞を引き継いで。あと、預言と呼んでる先が滅びだとも知らずに…。この星の虫けら共は、この俺が与えたものを使って繁栄した。
いつ目に見えて現れるか、こっちはドキドキものだけどな。
それにしてもこの星の虫けらは、俺の与えた知恵に甘えていても、俺に噛みついてくる奴らがいまだ現れないな。
ユリアがこの星の底に封印されてた俺の唯一の苦手、クトゥグアを引っ張り出して、危うく星全体が焼け野原になりかけたところで、俺があいつを押さえつけるやり方を教えてやったからか?
それともユリアがあいつを呼びだしたせいで。自分のせいで世界が滅びかけたのを隠すために、俺に生贄捧げまくったりとか、あらゆる手を尽くしたからか?
ま、どっちにしてもなーんにも知らずにいるこの現状……。
楽しすぎて腹よじれるかと思った。クククク…っ。
…話を戻そうか。
俺がユリアに教えてやったやり方で押さえつけられたクトゥグアの奴の、俺を殺してやりたくてたまらないっていう意志がビリビリ伝わってくる。
あそこはあいつを閉じ込めるために用意されたような星だが、同時にあいつの縄張りでもある。
だから何もできないわけじゃない。
だから、あいつの憎悪と力をもった虫けらが生まれてこれたわけだ。けどすぐそれをやんなかったあたり、あいつはやっぱ頭が足りねぇ。馬鹿だ。たぶん意図的に作ったわけじゃないな。偶然だな絶対。
それだけじゃ面白くないから、俺がちょっとばかり手を出して、あいつの化身ともいえるガキを半分にしてやった。
レプリカとかいう器に半分を放り込んでやったら、あいつの化身、怒るどころか俺をぶっとばすのに使えそうな同胞ができたと喜んでる。そーかそーか、よかったなぁ。
けどレプリカは、おまえのこと嫌いみたいだぞ?
あらら、折角思念送って友好関係築こうとしてたのを、ガイとかいうガキに切られて邪魔されたから、ご機嫌悪そうだなぁ?
思念つっても、切られた傷が本体にくるほど実体もたせてたもんなぁ。そりゃ痛くて当たり前か。あのガイってガキ、確実に死ぬな……。
あいつ(クトゥグア)は、気が短いからな〜。呼びだされりゃ、目の前のものはすぐ焼く。今まで俺に反抗する連中があいつを呼びだしちゃ俺の作った住処を焼いたり、あいつにくっついてる、ちまい火の精にやられて自滅したり…。
しっかし、そんな奴がよく17年もじっとしてたな。器が虫けら(人間)だからか?
ま、おかげで俺は楽しませてもらってるがな。むしろ今日までじっとしててくれたことに感謝してるさ。
さあ、これからどうなる?
なあ、火の精(クトゥグア)…、楽しみだよなぁ? ま、脳味噌のないおまえにゃわかんねーことだろうがよ。
ん? あれは、ユリアの子孫じゃねーか。
ほ〜? お兄様の企みを阻止しようとして真昼間に暗殺か…。
中々度胸というか…、馬鹿?
ま、いっか。あ、そうだ! いいこと思いついたぞ…v
俺はちょっとばかりちょっかい出して、ユリアの子孫の娘、ティアと、アッシュの残り半分をもってるレプリカのルークを屋敷から遠くに飛ばしてやった。飛ばした先は、マルクトだ。
なんでこんなことやったかって?
そりゃおまえ…、ちょうど今マルクトにアッシュがいるからだよ。
あいつがどう動くか見てみたかったのさ。ただそれだけだ。(くすくす…)
さてさて、どうなるか。
夜になったか…。ああ、ティアがルークを前衛においたか…。いいねぇ、危険な目にあわせりゃイヤでもアッシュが半身の存在に気づける。そうなりゃ接触しようと躍起になるだろうな。
あと伊達にアッシュの半分をもってるだけのことはあるな、生存本能は強いと見た。力に気付いてないっていっても、あれなら自力でキムラスカにぐらい帰れるだろうな。
そうこうしているうちにアッシュが気付いたな。そりゃあれだけ瀕死の目にあってりゃイヤでも分かるか、ハハハ、クククク…。ナイス、ユリアの子孫。
アッシュ、ルークはエンゲーブだ。
さあ、急げ。
この星が鎖に繋がれたおまえの本体もろとも崩れ去る前に、俺に…立ち向かって来い。
俺は、この星のどこかにいる。おまえの本体を閉じ込める、この大地の上にいる。
いつでも来い。俺は待っている。
俺を退屈させるな。
…んなことやってる間に、いつの間にやらルークがタルタロスに連行されてんな……。
ほう? 和平の取次ねぇ? 軟禁されたルークにそんな権限はないはずだがな?
お? アッシュ、ちょうど六神将がイオン目当てで襲撃するのか?
よかったな〜、アッシュ。もうすぐルークに会えるぞ?
あっ。
……ルーク人質にしたラルゴをけっ飛ばしやがった。
顔面から床に倒れて、尻だけ高くあげてる状態のそいつに、ゲシゲシ蹴りを入れつつ、現時点でおまえにしか分からんこと叱りつけて…、周りがびっくり通り越して呆けてるぞ?
いや、面白いけどな? これはこれで。
ラルゴ蹴りつつ、ルークを気遣いつつ、他の連中を捕えるよう部下に指示……。本体がアレとは思えない頭の回転率…。すげーなある意味…。
で、終わったらルーク引きずって適当な部屋に連れてって…。
へ〜、友好関係築きたいわけか。……本体のアレからは想像もできない、知ってたら気持ち悪いな…。
でもメッチャ警戒されてるじゃねぇか。当たり前だな。同じ顔が目の前に現れて、色々急展開過ぎて軟禁されてた頭じゃついてけねーだろうに…。
フフフ…、さあどうするんだアッシュ?
ん? おっ?
…………俺に気付いた?
あっちゃー…、残念。ここまでだな。よっしゃ、ちょっと相手してやるからかかってこい、ガキが、ケッ。
おっと、その隙にルークが逃げたか。
アッシュは、俺に構っている間にルークが、ティアと、ジェイドとかいう男とタルタロスを脱出したのを相当悔しがってた。
馬鹿だな〜。
じゃあ、俺はもうおいとまさせてもらうとして、アッシュ、今のお前じゃ俺に傷一つつけられやしないぜ?
せめて本体ぐらい引っ張り出して来い。
さあ、次はどうするか……。
こんなにワクワクするのは久しぶりだぜ。
それはさておき…、あいつらきっと最後まで分からんままだろうなぁ。
おまえらが連れてる、その赤毛のガキが、火の精(クトゥグア)に焼き滅ぼされるか、俺に滅ぼされるか、どっちかの命運を背負ってるなんてな。どっちにしろ滅ぶがな(しれっ)。
なんかルークの奴、人間に嫌気を感じてきてるっぽいな。それもこれもいっしょにいる連中のせいでストレス溜めてるからか。これフラグじゃね?
あいつ(クトゥグア)、出てくんじゃね?
オーゥ…、展開、早っ!
よくご都合主義とかいうが、これこそそうじゃね?
ま、導いたのは俺だけど。…ふっ。
とはいえ、まだアッシュほど他のことに無関心ってわけじゃないな。まだ虫けら共(人間)と同じだ。
……なーんて言ってみたが、先は見えてるな。
結局、おまえ(ルーク)は、あいつ(クトゥグア)なんだからな……。
さあ……、舞台はもうすぐ終わりだ。
聖なる焔(ルーク)の終わりを詠んだ未来は、もう、すぐそこ……。
ま、覆されるのは目に見えてるがな……。
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あとがき
このサイトのニャル様のキャラクターは管理人の勝手な想像で作ったものです。
こいつ、自分だけ封印されなかったし、自分の上司も馬鹿にするような奴だから、もう何もかもが遊び感覚なんじゃないかなという勝手な妄想です。
急展開過ぎてすみません…。
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